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書籍詳細

【ヴァテック バベルの図書館23】W・ベックフォード

販売価格: 2,400円(税込)

[ごめんなさい。売れてしまいました。]

書籍詳細

セインツベリとアンドルー・ラングは、
火の地下宮殿を創案したところにベックフォードの
最大の栄光があると断言、もしくは示唆している。
私に言わせれば、それは文学に現れた最初の真に恐ろしい
地獄なのである。あえて逆説を弄せば、
文学に現れた地獄のうち最も有名な、
『神曲』の「悲哀の王国」は、決して恐ろしい場所ではなく、
そこにおいて恐ろしいことが起こる場所であると言ってよい。
この区別は有効だ。
『神曲』はあらゆる文学のなかでもっとも正当な
確固としたものであり、『ヴァテック』はたんなる奇譚、
「ひとときの芳香とお慰み」にすぎない。にもかかわらず
『ヴァッテック』は、たとえ初歩的な形においてであれ、
トマス・ド・クインシーやポーの、シャルル・ボードレールや
ユイスマンスの悪魔的な光彩を予示している、と私は信ずる。

状態: 並下 箱に小潰れ。箱帯・本体に少傷み・シミ・汚れ・上下部にヨレ。月報アリ。
出版社: 国書刊行会
著者: W・ベックフォード
翻訳者: 私市保彦
発行年: 1990年 初版
定価: 3300円
サイズ: 12.5×22.6cm
ページ数: 2冊セット、(上巻191ページ、下巻278ページ)
シリーズ: バベルの図書館 23

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