現実世界の合理的秩序を根底からゆさぶる破壊的な恐怖をえがくゴシック・ロマンス以後の近代怪奇文学は、
人間がもはや超自然的な奇蹟を認めなくなった不信の時代に、驚異の感覚を呼び起こそうとする不逞の試みである。
恐怖という原始感情の扱いに関しては、原色のように扱い方を誤ると芸術性全体を破壊してしまうゆえに、
それだけ高度の技術が要求される特殊な文学となったのである。
エーヴェルスは常識あるいは市民道徳への挑戦のかたちをとった美神礼賛を基調とし、
解放された本能や欲望が渦巻く人間の深層心理から啓示を得た作風で、
近代機械文明の粋を凝らした現代都市に恐怖を出現させた。
状態: 並下 帯にシワ・スレ・欠け・背ヤケ。箱にスレ・傷・キレ・剥げ・傷み・シワ・角に潰れ・背ヤケ。天・小口・地・ページ内にシミ。
出版社: 創土社
著者: エーヴェルス
翻訳者: 前川道介、佐藤恵三
発行年: 1973年 初版
定価: 1000円
ページ数: 341ページ