「妖精画廊」では、主に十九世紀後半から二十世紀初頭にかけての挿絵画黄金時代に活躍した、
幻想絵師たちのイラストを紹介いたしましたが、今回はより時代を遡って、
十八世紀末から十九世紀の初頭のフランスに開花した挿絵画家第一黄金期を中心に、
前回収録することのできませんでした、カイ・ニールセンやエドマンド・デュラックなどの
あまり知られていない傑作も収め、内容の充実を図りました。
そして、従来は幻想画の分野では等閑視されているきらいのあります博物図鑑や植物図鑑、
動物図鑑からとりました色彩鮮やかな、動物・植物の細密画が、本書に新たな魅力を加えたものと自負しております。
また、本文の「挿絵黄金期前史」は、挿絵本の歴史を技法の面から分かりやすく書いたもので、
この方面に興味のある方の絶好の入門編になることと思います。（月報より）