東山魁夷、藤田嗣治、竹久夢二、亀倉雄策、脇田和が絵を描き、
野口雨情、北原白秋、サトウハチロー、金子みすゞ、まど・みちおが詩を寄せ、
室生犀星、濱田廣介、小川未明、内田百閒、坪田譲治が童話を創り、
「兎のダンス」「アメフリ」「雨降りお月さん」などの童謡が生まれた―。幻の絵雑誌がここに甦る。

真の芸術に触れることで、子どもたちのの情操を育てたい。
1922年(大正11年)、東京社(現アシェット婦人画報社)から創刊された『コドモノクニ』は、
編集者のそんな熱い思いと志から生まれました。美術、文学、音楽が融合する絵雑誌は月1回の発行で、
1944年(昭和19年)3月まで、のべ287冊が刊行されました。静かに深く読む人の心を潤し、
子どもたちの自由な創作活動を促し、豊かな情操を育んだ『コドモノクニ』は、90年の時を経て、
今なおいききと私たちに語りかけてきます。
ここにあるのは、美しい日本、そして子どもが子どもとして生きた時代と、大人が大人であった時代。
『コドモノクニ』名作選は、5000余を数える文学・美術作品と500曲を超える童謡の中から厳選した、珠玉の300作品を掲載。